ほんものの名酒とは 5
このようにみてくると、手造りの規定は、本来の酒づくりの原点からいえば、
「生翫系の生翫、すり翫、山廃翫を使用し」と改めるべきではないでしょうか。
速醸翫が酒母育成が簡易であることや、品質を規格・統一しやすいことが利点とされて、灘の大手で昭和40年代以後急速に増えたことなど思いあわせると、きびしいようですがそう考えてしまいます。
酒母をつくるとき加える「酵母」は、ビールに上面発酵酵母(ほんもののスタウトを生成する場合の酵母)、下面発酵酵母など独特の酒類としての性状と風味をつくる内密の核とと言ってもいいでしょう。
清酒の酵母は、もともと麹に由来したもので、室町時代にすでに自然集積法が確立されていたといわれています。
しかし、1881年、ドイツのハンゼンがビール酵母の純粋培養法を確立したのにならって、古在由直(元醸造試験所長、東大総長)が清酒酵母の純粋培養法の研究を進め、それを分離することが日本でも次々成功しました。
そしてその良質のものが、日本醸造協会によって協会酵母として推奨頒布されるようになったのです。
現在11号まであり、1号以来の分離源と実用に供された年次・分離者名はわかりやすくなっています。