工女の虐待
明治30年代には、工女の虐待が絶えず新聞紙上に報ぜられ、社会問題化していました。
『職工事情』は、その当時の工女虐待の状況を生々しく伝えています。
そのうちの数例をここに掲げておきたいのです。
まずは埼玉県の例。
明治34(1901)年9月、埼玉県北足立郡大宮在植水村で起きた工女虐待事件について、同39年9月18日の『時事新報』はつぎのように報じています。
工女虐待の裁判、埼玉県大字島根機業家関根イトの次女タカ(28)及び雇人岡村ヤイ(16)の両人が雇人たる千葉キヌイ(16)を殴打して十数カ所の傷を負わせた件により・・・
去る15日浦和地方裁判所に於て、タカは重禁固15日、ヤイは拘留7日に処せられた
その次第を聞くと、被害者キヌイは岩手県西岩井郡老松村、千葉安之助の姪
9歳の時両親に世を去られ、余儀なく叔父安之助方に身を寄せて近所の者の子守などに傭われていたが、本年2月中ある人の世話で東京に奉公に出ることになり、叔父安之助も承知してキヌイを世話人に引き渡した。
・・・と。